時流

3月の末日位に隣町のゲームショップが閉店するらしい。

今日ヴァンガードのカードを探しにその店へとフラリと立ち寄った。
求めていたカードは見つかり、無限回収していたカードを漁るためにノーマルカードコーナーで物色をしている時、ふと目の前の張り紙に気付いた。
「閉店セールノーマルカードが1枚5円」
「21年間、御愛顧いただきありがとうございました」
との事だ。
最初張り紙を見た時は１枚5円っていう言葉しか目に入って来ず、その後にその縁に書かれた言葉を見て流石に気が落ちる。
店内の雰囲気は何時もと変わらないように感じたが、いつもなら沢山入ってる棚のスリーブも何処か歯抜けであったり、カードも歯抜けが目立った。
買い物をして店員に何か……と思ったが言葉が見つからなかった。
何て言えばいいのか分からない事なんていつもの事なのに、全く言葉が浮かばなかった。
だから極力何時も通り、閉店の事など知らない振りをして買い物をして、ポイントスタンプを押して貰って店を出た。
何時もなら大会の告知が書いてある扉も商品ポスターのみで虚しかった。

その店に別に深い思い出がある訳ではないが、自分が隣町に行き始めた頃より前からその店はそこにあり、そこにあるのが当たり前だった。
昔から人入りの少ない店だったが、カードゲームを取り扱い始めた事によって少しは盛り返した用にも思えたが、閉店してしまうのは非常に残念であり寂しくある。
自分も少なくとも一度はその店でゲームを買った事もあるし、此処2～3年でカードゲームを取り扱い始めデュエルスペースも設置し少なくない回数通った。

いつか閉店はしそうな雰囲気だったが、本当に閉店してしまうとなると悲しいもので、４月にはもうその店は無いのだと考えると虚しさがこみ上げてくるばかりである。